2020年7月9日木曜日

自分の家を自分で作る15

土壁準備

今回もっとも楽しみな作業のひとつが土壁。最近ではあまりお目にかからない作業です。
なぜ土壁に興味を持ったか。いろんな人と建築の話をする中で、知識と経験のある人の共通点、それは「土壁は絶対良い」ということ。土壁は湿度を調整し熱がこもらず、質感がたまらなく良い、間違いのない自然素材。それと住んでみて分かることですが、空気感が違う、音の反響もなく、居心地がたまらない安心感、うまく表現できませんが、とにかく土壁は別格です。あともう一つすごく眠れます。
土壁のことはなんとなくネットやテレビで見聞きして知ったように話している人は多く「土壁を作った事はあるか」と尋ねるとそういう奴らはみんなモニョモニョ言い出す始末。意外とみんな土壁のことを知らないことが分かりました。

まずは信頼できる左官職人を探すこと
伊勢志摩で最高の左官職人と出逢えたことは幸運でした。出会った当時は72歳、経験豊富のベテランです。少し短気。
まずは木舞壁の作り方これは土壁の下地になり割り竹をワラ縄で編んでいきます。この作業は家族みんなで行いました。どんな仕事も下地が肝心、竹にカビが生えることがあると聞き焼き竹にすることに。




























ただ仕事が進むにつれてある疑問が、こんなに良いものがどうしてこんなに衰退していったか。
自分で調べるうちに30年ほど前、土壁と新建材が重なる時期あることに気づきました。その時に間違った施工が行われ土壁の良さを全く生かせていない施工です。例えば土壁の上に石膏ボードを貼り付けたり、土壁の上にモルタルでおさえボンドを塗り変な仕上げ材を塗る外部には外壁用のボードや化粧トタンで施工、こんな施工方法ではせっかくの土壁の良さを全く生かせずに衰退していったことなど、その当時の左官の職人さんは気がついていたそうです。もちろん建築ラッシュやスピード化によることも拍車をかけしまた。土壁は手間と時間が掛かるもの残念。

間違った施工をしなければ土壁は素晴らしい素材。

*注意
土壁は素晴らしい素材です。
しかし問題点も、気密性、人間性によっては不向きだと思います。建築期間は最低でも1年は掛かります。コストも正直。
うち方には問い合わせしないでください。


自分の家を自分でつくる14

屋根の作業

内部から天井が見えるため野地板には良い感じの物を使います。
屋根垂木は芯持の二寸角檜、空気層を設けるため・・・秘密です。空気層は3層設けます。

屋根材は素焼きのものを使用、自分の経験上、素焼きの物が熱を含まず外気温とあまり変わらない温度でした。ちなみに夏のスレート瓦の温度を測ると60から70度くらいあったような、素焼の場合40から45度くらい自分で調べた結果です。例えば夏、屋外でアスファルトやコンクリート、木材や素焼の植木鉢に素手で触るとその違いは分かります。
もちろん素焼き丸瓦の方が断然、熱がこもらなく空気も通り良いのですが、屋根勾配をキツイ目の建物にしたので、むずかい選択です。

だだし今の住宅の場合はぶ厚い断熱材が屋根材の下に使用されているのであまり屋根の素材は問題ありません。ただ自分は自然素材でどこまでやれるかを調べてみたい。







自分の家を自分でつくる13

工期のない家

野地板を干したり、天窓の位置だし、熱がこもらないように空気層の工夫など、なかなか作業が捗りません。ただ工期のない仕事だからこそゆっくり考え後悔しないように作っていきます。

あとここが重要ですが、それでも問題がある場合を想定し手直できるよう、分かりやすく複雑にならないよう努力しました。
これは作りながら考えて行かないと矛盾があることに気がついた点です。作っている現場の人間にしかわからないことだと思います。

あともう一つは何十年後解体される時がきます。今の時代でも、300万とか500万とか掛かるようで何十年後はいくらかかるか、壊すときに上手に壊しやすくする点にも配慮しました。